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廃棄消火器肥料化の取り組み


肥料の主要3要素は、消火薬剤の主要3要素である、窒素とリン酸と同成分です。
 


 消火器は消防法の定めにより耐用年数とされる8年しか使うことができません。有効な利用法がなかったので一億円かけて、期限を過ぎた年間400万本分の消火器内の消火薬剤(約一万トンに上る量)を産業廃棄物として捨てていました。

  そもそも、消火器の重量比の60パーセントを占める消火薬剤の成分は窒素とリン、少量のシリカで全て肥料になるものばかりです。肥料として再利用できれば今までの産廃処理にかかっていたコストを削減できます。
 




もともと含有成分は硫安とリン酸なので肥料成分としていいもの。消火器は人の安全をずっと守り、運良く使われず、農家に使われ、土壌に戻るというのはほんとの循環でいいことと語る、「株式会社モリタ」の坂本さん。
  ただ、消火薬剤は湿気を帯びると固まってしまうため、粒子の周囲にコーティング処理が施されています。そのままでは肥料として利用できないため、大阪の防災機器メーカー、「株式会社モリタ」上野工場では、大学と共同研究の末、2002年にコーティング粒子の性質を変えて水溶性にすることに成功し、モリタは消火薬剤をリサイクルしていく流れを進めていました。できた消火器の名前が「モリタ1号」です。


 屎尿は、肥料に不可欠な窒素・カリウムは豊富ですが、同じく肥料に不可欠なリンが少ない傾向にあります。一方、消火薬剤には、窒素・カリウムが 少なく、リンは豊富にあります。
つまり、屎尿と消火薬剤を同時にリサイクルすることで、優秀な肥料として活用できるのです。


 使用済みの消火薬剤を利用したリサイクル肥料で、液肥にもともと足りなかった成分を補うことができます。その上、安く手に入り、農家の負担も少なくてすむのです。

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